戦後の1948(昭和23)年6月に東京急行電鉄(いわゆる大東急)から分離して誕生した京王帝都電鉄では、1953年より用途を失った車両の他私鉄への譲渡が開始されました。特に1960年代に入ってからは電鉄傘下の京王重機で譲渡先の鉄道に合わせた仕様に改造できるという強みもあって、これまでにおよそ170両を全国各地の鉄道に送り出しました。さらに最近では銚子電鉄や岳南電車に見られるように、京王からの譲渡車が他私鉄に再譲渡される例も生じています。
本書では、1950年代より譲渡が開始された庄内交通、越後交通長岡線、松本電鉄をはじめ、京王線の名車と呼ばれた5000系が譲渡された富士急行や高松琴平電気鉄道、伊予鉄道など、また井の頭線ステンレスカー3000系が譲渡された北陸鉄道や上毛電鉄、伊予鉄道などといった京王帝都電鉄発足以降の歴代譲渡車両を、譲渡先の鉄道会社別に紹介します。【内容(目次)】巻頭グラフ 京王帝都電鉄の譲渡車両はじめに1.東北・甲信越 1.1 庄内交通湯野浜線 1.2 越後交通長岡線(←長岡鉄道) 1.3 松本電鉄(現・アルピコ交通) 1.4 富士急行(現・富士山麓電気鉄道)2.関東・中部 2.1 上毛電気鉄道 2.2 わたらせ渓谷鐵道 2.3 銚子電気鉄道 2.4 岳南鉄道(現・岳南電車)3.北陸・近畿 3.1 北陸鉄道 3.2 京福電鉄福井支社 3.3 近江鉄道4.中国・四国 4.1 一畑電気鉄道(現・一畑電車) 4.2 高松琴平電気鉄道 4.3 伊予鉄道Column 今も生きる京王木造車の台枠おわりに