パブリカは、1950年代の国民車構想の影響を受けながらも、トヨタ独自のスタンスから企画/開発されたトヨタ初の小型大衆車。企画検討から第3次試作までに費やした開発期間は7年強。パブリカは、熟考に熟慮を重ねて企画/生産されたオリジナリティ豊かなトヨタ初の小型大衆車でした。徹底したコスト管理をベースに開発されているものの、詳細にクルマの構造を観察してみると、大いなる“アバンギャルド”精神に溢れているメカニズムの数々を発見します。本書はこれまであまり取り上げられなかったパブリカの先進のメカニズムにスポットをあて、その構造を3年をかけたフルオーバーホールの記録写真(UP20S-Bパブリカディタッチャブルトップ)と当時の整備書から、驚きの先進性=アバンギャルド的な冒険技術の目的と構造を解説しています。巻末には貴重な当時の販売促進のためのカタログやポスターなどを収録しています。・カタログで知るパブリカの変貌ぶりまた、我が国で唯一のパブリカオーナーズクラブからの・パブリカオーナーズクラブからの特別寄稿も掲載しています。パブリカは小型大衆車でしたが、その内容は当時の他ライバル自動車メーカーが太刀打ちできないほど先進的な技術が搭載された優れた製品でした。以下は、その主な内容です。Air Cooled Flat Twin Engine 誕生背景考察水平対向エンジンの量産化に多くの自動車メーカーが挑んだが成功したのはトヨタのみだったAir Cooled Flat Twin Engine 設計思想考察水平対向レイアウトはエンジンの平面化に貢献するがカムシャフトとオイルパンが……Air Cooled Flat Twin Engine 細部考察(エンジン/ 駆動系)エンジン各構成パーツに宿るパブリカの潔い設計思想へ具体的な考察を加えてみるLightweight Sports chassis 細部考察(シャーシ/ ボディ/ 制動系)先進思想はエンジンのみに留まらずシャーシ/ボディを中心にして足周り全般に及んでいるRestoration Report(シャーシ/ ボディ編)大量発生しているブリスター処理でも生産工場で塗布されたプライマーは極力剥がさないのが最良の方法Restoration Report(エンジン/ 駆動/ 制動編)クランクシャフトの脱着はクランクケース全体を100℃で焼き嵌めできる環境が必要になる