RMライブラリーの節目となる300巻は、『国鉄の荷物列車』と題して通常の倍のボリュームでお届けします。旅客列車とは別に、旅客から預かった荷物や郵便物、新聞・雑誌などをそれぞれ用途に合わせた車両に積載した荷物列車は、機関車が牽引するパターンが多かったことから当時のレイル・ファンの間でも人気の列車でした。しかし高度成長期以降、道路事情の改善によりトラック輸送が急伸、さらに宅配便が普及したことで急速に衰退し、鉄道による荷物輸送はピリオドを打ちました。本書では、国鉄の荷物列車が最盛期を迎えるまでの数々のエピソードや運用の実態などを分かりやすく解説するとともに、国鉄荷物課OBに聞く荷物輸送の舞台裏も取り上げます。最盛期以降については301巻『続・国鉄の荷物列車』で解説します。
【掲載内容】巻頭グラフ 昭和の物流を支えた荷物列車1.荷物列車の魅力 1.1 バラバラの編成 1.2 奇想天外の運転区間 1.3 往復で違う本数、運転区間、経路 1.4 続出する長距離運用 1.5 複雑な「継走図表」と独特の運転整理 1.6 「荷専併結列車」の不思議 1.7 上野~東京間の荷物輸送 1.8 DC化が生んだローカル線の荷物列車2.荷物列車体制のスタート―1961年10月3.ブレーキのかかった荷専移行4.荷物列車専用駅の整備5.難航した郵政省との交渉6.「よんさんとう」で巻き返し―パレット、急行の導入7.頭の痛かった新聞輸送8.荷物列車全盛時代へ―1970年代9.電車、気動車の荷物列車10.航送荷物車の運用11.旅客局荷物課OBに聞く(1)『国鉄の荷物列車』おわりにColumn1.荷物列車が救済した帰省客輸送2.ダイヤ改正会議で紛糾した荷41列車問題3.荷物列車40番台は偶然4.荷物輸送に不可欠だった「テルハ」5.時刻表は通過の「郵便停車」6.「東週雑運用」とは7.毎日が戦場だった静岡駅の特急「はと」8.「荷物」と「貨物」の違いは?